2023年12月20日
インフルエンザ予防に効果あり?!唾液の分泌を促す方法とは
例年、冬になると大流行する感染症の1つ「インフルエンザ」。感染拡大により学級閉鎖が相次ぐ感染力の強さが特徴的です。その感染予防に重要と言われているのが、唾液です。しかし唾液は、日常的なストレスや生活習慣、年齢とともに分泌量が減っていきます。そこで今回は、唾液の分泌を促す方法をご紹介します。
健康な唾液の働きとは?
唾液は1日に1000~1500mlほど分泌されます。実は唾液は口内を潤す以外にも、全身の健康に欠かせない要素が複数あります。会話や食事などの日常生活はもちろん、さまざまなところで無意識のうちに役立っているのです。
・食べ物の消化を助ける
・味を感じやすくする
・食べ物を飲み込みやすくする
・全身の健康を保つ
・口の中を清潔で健康に保つ
唾液とインフルエンザの関係
口内に侵入してきた病原体は、唾液に含まれる免疫物質がくっつくことで無力化され、体内への侵入を防ぎます。この免疫物質は、細菌だけではなくウイルスにも働きかけるため、風邪やインフルエンザなどウイルス性の病気の発症を防ぐ重要な存在なのです。
唾液の分泌を促す方法5選
日常的なストレスや生活習慣、年齢を重ねると唾液の分泌量はどんどん減っていきます。分泌量が減ると、免疫物質が減るだけでなく口内が乾燥し細菌が繁殖しやすくなります。例年冬になると流行する「インフルエンザ」にも感染しやすくなってしまいます。感染してしまう前に、以下の方法を実践して、予防しましょう。
①こまめに水分補給をする
唾液のほとんどは水分で構成されています。水分不足は脱水を起こし、唾液の分泌量も減る傾向にあるため、普段からこまめに水分補給を行うことが大事です。一度に大量の水分を摂っても尿として排出されてしまうため、こまめに補給するように心がけましょう。
②咀嚼回数を増やす工夫をする
唾液は食べ物を消化する時に重要な働きをするため、咀嚼回数が増えると唾液の分泌を促すことになります。噛み応えのある食材を選んだり、食材をいつもより大きく切ったり、水分の少ない料理を選んだりすると自然に咀嚼回数が増えます。普段の食事で工夫してみましょう。
③鼻呼吸を意識する
口呼吸だと、細菌やウイルスなどの病原体が体内に流れ込んでしまいます。また、口の中が乾いていると、入り込んだ細菌が繁殖しやすくなります。特に現代人は口呼吸の人が増えているとも言われているので、アレルギーなどで鼻がつまっている場合は仕方ありませんが、予防法の1つとして鼻呼吸を意識してみると良いかもしれません。
④ストレスをためない
緊張やストレスは、交感神経が強く刺激される要因として知られています。ストレス性ドライマウスと言われる方も少なくなく、ストレスや緊張が原因で少量の粘々とした唾液となってしまうのです。生活習慣を見直したりリラックスできる環境を整えたりしてストレスを溜め込まないように心がけましょう。
⑤マッサージをする
口の中には、耳下腺(じかせん)・顎下腺(がっかせん)・舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる唾液の出やすいポイントがあります。この3つのポイントをマッサージすると、唾液が分泌しやすくなります。全身がリラックスできるお風呂の中で行うのが効果的です。
唾液腺マッサージの方法
耳から顎にかけての3つの唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)をマッサージします。強く押すのではなく、指で軽く圧迫するように意識して行いましょう。
①耳下腺…手を頬に当て、後ろから前へぐるぐる5~10回まわす。
②顎下腺…顎骨の内側を5~10回押す。
③舌下腺…顎下の中央を上に親指で5~10回押す。
寒さも本格的になり、年末年始で人の動きが多くなるシーズンに入ります。健康な身体で、快適に過ごせるように日常生活の中で、できる限りの感染対策をするように心がけましょう。