2022年02月08日
省エネ住宅とは?お得に暮らす方法を解説
近年、テレビCMなどで「省エネ住宅」という言葉を耳にする機会が増えましたが、実際にどんな住まいなのか、知らない方も多いのではないでしょうか?
実は、省エネ住宅は環境に優しいだけではなく、経済的で長く快適に住むことができる住まいなのです。今回は省エネ住宅の仕組みや、省エネ住宅に住むメリットについてご紹介します。後半ではお得なガス・電気の選び方も紹介していますので、新築やリフォームで経済的かつ快適な住まいを作りたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
省エネ住宅とは?
家庭でのエネルギー消費の大半は冷暖房によって占められています。省エネ住宅は、この冷暖房の効率を大きく上げる機能を持っているのです。
省エネ住宅の基準
省エネ住宅は、環境省によって定められた「省エネルギー基準」によって規定されています。省エネ住宅の基準は「外皮性能」と「一次エネルギー消費」の2つに分けられています。
外皮性能とは
外皮性能とは、外皮(住宅の内外を隔てる壁や屋根)を通して熱が伝わらないようにする断熱や日射遮蔽などの機能を指します。
一次エネルギー消費とは
「一次エネルギー消費」とは、住宅が消費するエネルギー量を、一つの単位に換算して算出したものです。一次エネルギー消費が基準値を下回ることが「省エネ住宅」の基準の一つとなっています。
省エネ住宅の種類について
省エネ住宅には様々な種類があります。代表的な省エネ住宅であるZEH(ゼッチ)は、住宅が消費するエネルギーと生産するエネルギーの収支がゼロになることを目標とした住宅です。
その他にも、HEMSやIoTなどのITシステムを活用してエネルギー効率を高めるスマートハウスや、建設から解体までの総合CO2収支をゼロにすることを目的として設計されたLCCMなどが挙げられます。
エネルギーを効率よく活用することができる省エネ住宅ですが、実際に省エネ住宅に住むことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
省エネ住宅のメリット
光熱費が安い
省エネ住宅を選ぶメリットとして一番に挙げられるのが、光熱費を抑えることができるという点です。省エネ住宅を利用することで、一般的な一戸建てでは年間2.5万円の節約になるとも言われています(国土交通省算出)。
室内の寒暖差が少ない
省エネ住宅は室内と屋外の熱伝導を遮断する性能に優れているため、室内の寒暖差が少なくなります。寒暖差が少なくなることで年間を通して快適に過ごすことができるだけでなく、結露やシックハウス症候群、カビの発生を防止することができます。
省エネ住宅の補助金や減税制度が利用できる
省エネ住宅の基準を満たすことで、様々な補助金を得ることができます。消費税引き上げによる負担を軽減するための「すまい給付金」や、新型コロナウイルスによる影響を考慮して設置された「グリーン住宅ポイント」など様々な補助金があります。
また、「低炭素住宅」や「長期優良住宅」などの条件を満たすことで、「住宅ローン減税」の減税額の上乗せや固定資産税の軽減など、様々な減税制度が適用されます。
せっかく省エネ住宅を選ぶのなら、ガスや電気などのエネルギー源も効率よくお得に利用したい、とお考えの方も多いと思います。そこで今回はオール電化と電気・ガス併用を比較して、お得なエネルギー源の選び方をご紹介します。
ガス併用のメリット
ガスを併用した方が光熱費が安い
オール電化と電気・ガス併用ではどちらの方が安い光熱費で済むのでしょうか。基本料金のみで比較した場合、オール電化の方が若干ですが安く済みます。
ところが、同じ量のエネルギーを生み出すのにかかる料金で比べれば、電気よりガスの方が安く済みます。例えば、同じ量の水を同じ温度まで上げるためにかかる料金は、電気よりガスの方が安いのです。長期的に使用することを考えると、ガスを併用した方が圧倒的に経済的であると言えます。
CO2排出量が少ない
「ガスは燃焼させるたびにCO2を発生させるため、電気に比べて環境に優しくない」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住宅で使用される電気のうち、実に88%は火力発電によって補われており、多量のCO2を排出しています。また火力発電で発生した電力のうち、62%は送電ロスなどにより失われてしまいます。
つまり、実際には電気よりもガスを使用することでCO2排出量の削減に貢献することができるのです。
停電時にも対応できる
オール電化を選択した場合、地震などの災害により停電が起きた場合に全ての設備を使うことができなくなってしまいます。一方、コンロや給湯器、暖房など一部の設備でガスを併用していれば、災害時にもこれらの設備を使い続けることができます。
では、ガスを併用する場合はどのようなガス設備を選べばよいのでしょうか?近年では、従来のガス設備に比べて大幅に少ないエネルギー消費で使用することができる設備が注目を浴びています。以下にその代表的な例である省エネ給湯器、エコジョーズをご紹介します。
省エネ給湯器エコジョーズとは
画像引用元:Paloma公式サイト
エコジョーズの仕組み
エコジョーズは、給湯の際に発生する排気熱を再び給湯に利用することで、高いエネルギー効率を実現した給湯器です。従来の給湯器の熱効率が約80%であるのに比べ、エコジョーズの熱効率はおよそ95%となっています。
エコジョーズのメリット
エコジョーズを利用するメリットには光熱費が安いことや、環境に優しいことなどが挙げられます。
まず、エコジョーズを利用することで、ガスの使用代を13~15%カットすることができます。家庭で消費される全エネルギーの約3分の1を給湯による消費が占めているため、エネルギー効率の高い給湯器を利用することは家計にとって非常に重要と言えます。
また、エコジョーズは従来の給湯器よりも15%程度少ないガスで給湯することができるため、CO2の排出量削減にもつながります。エコジョーズを使用する家庭が増えれば増えるほど、地球温暖化を抑制することができるのです。
省エネ住宅やガス併用でお得に快適な暮らしを手に入れよう
省エネ住宅やガス併用プランを利用することで、家計に優しく環境にも優しい暮らしを実現することができます。ガス給湯器を利用する場合は、ガス使用量の少ないエコジョーズが圧倒的におすすめです。新築を購入する際やリフォームの際にはぜひ、参考にしてみてください。