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ヒートショックの防ぎ方!少しの意識で変わる簡単予防

2022年11月15日

ヒートショックの防ぎ方!少しの意識で変わる簡単予防

暖かい居室からトイレに行くと、室温差に思わず震えてしまうことはないでしょうか。この気温差が、実は高齢者にヒートショックを引き起こす原因にもなります。
ヒートショックとは、家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、身体へ悪影響を及ぼすことです。
この記事では、ヒートショックはどのくらい起きているのか、ヒートショックが起きるしくみ、予防策などを説明します。

ヒートショックが起こるしくみ


ヒートショックは、おもに家の中の温度差により起こることがわかっています。暖かい部屋から寒い浴室に移動すると、体は室温の急激な変化から体温を調節するために、ブルブルと筋肉を震わせて熱を作ります。
同時に血管を細くして、皮膚の下に流れる血液の量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節します。血管が縮むと、血液が流れにくくなるので、血圧は急上昇します。
しかし、浴槽の温かい湯につかることで、血管は拡張し、急上昇した血圧が、今度は急激に低下してしまうのです。
その後も、浴槽から出て体を洗ったり、あるいは熱い湯船からいきなり出て寒い脱衣所に移動することなど、一連の入浴行動の中で血圧は急激に大きく変動します。
高血圧や糖尿病、脂質異常症など動脈硬化が進行した高齢者では、血圧の上昇による心筋梗塞、致命的な不整脈、脳梗塞や脳出血などを引き起こしやすくなっています。
反対に、血圧が低下することでめまいやふらつきが起き、または意識を失って、転倒や溺死という結果を引き起こすこともあるのです。

ヒートショックが起こりやすい場所


ヒートショックを起こしやすいのは、特に冬場の冷え込んだトイレ・洗面室・浴室など、極端な温度差がある場所です。
トイレも、排便でいきむと血圧が上がり、排便後急激に血圧が低下するため、ヒートショックが起こりやすくなります。

ヒートショックになりやすい人


以下のような状況に当てはまる人はヒートショックに要注意です。

●65歳以上(特に75歳以上)
●狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞の病歴がある
●不整脈、高血圧、糖尿病の基礎疾患を持っている
●以下の習慣がある人
・飲酒直後に入浴する
・食事後すぐに入浴する
・深夜に入浴する
・熱いお湯に首まで長くつかる
●以下の居住空間の人
・浴室、脱衣所、トイレに暖房設備がない
・浴室がタイル張りで窓があり、冬場は寒い
・居間と浴室、トイレが離れている

ヒートショックの予防方法

ヒートショックにならないために、予防方法をご紹介します。

入浴についての注意点


●食後1時間以上空けてから入浴する
食後は消化器官に血液が集まり、血圧はやや低くなっています。
その状態で寒い浴室に行くなど血圧を上げる行動をすると、血管内の変動がより大きくなり、ヒートショックを引き起こしやすくなります。

●お酒は入浴後に飲む
飲酒すると、血管が拡張し血圧低下を起こしたり、体の反応も低下して転倒しやすくなります。危険性が高まるので、飲酒後の入浴は避けたいものです。
夕方入浴して、その後晩酌することをおすすめします。

●ゆっくり温める
入浴時にはいきなり浴槽に入らず、心臓に遠い手や足からかけ湯をするなど、お湯の温度に体を十分に慣らしてから浴槽に入るようにすることで、急激な血圧の変化を防げます。

●浴槽から急に立ち上がらない
浴槽から出るとき、急に立ち上がると血圧は急激に下がります。立ちくらみを起こし、転倒のリスクが高まります。

●浴室に暖房器具を設置する
脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなどして暖かくしておくことが最も重要です。
浴室内に暖房器具がなくても、浴槽にお湯を溜めるときにシャワーを使って高い位置から浴槽に注いだり、お湯を張った浴槽のフタを開けておくなどすれば、浴室内は暖まります。
また、1番風呂は避けて2番目以降に続けて入ることにより浴室内が暖まっているときに入浴することができます。

トイレでの注意点


●いきみすぎない
排便の際にいきみすぎると心臓への負担が高くなります。また、排便後は急激に血圧が下がり、血圧の乱高下が激しくなります。普段からの便秘対策も重要です!

●トイレに暖房器具を置く
浴室や脱衣室と同様、トイレも小さな個室であり、寒い空間であるのが通常です。
現在は、人感センサー付き電気温風器や、ヒーター一体型の天井照明など、場所を取らない暖房器具も販売されています。それらを活用して、トイレに暖房設備を設置しましょう。

まとめ

ヒートショック対策は、高齢者ご本人とその家族が、トイレや入浴時にヒートショックが起こりやすいことを認識しておくことが大切です。
そうすれば、ご本人もゆっくりと温度に慣れるように注意して行動したり、ご家族も入浴中に声をかけることができます。ヒートショック発生の認識があるのとないのでは、危険性は大きく異なるのです。
まずは日々の意識から、日常の対策を行なっていきましょう。