2022年09月03日
食品ロスにおける現況と対策方法とは?SDGsとの関連性を解説
食品ロスにおける現況と対策方法とは?SDGsとの関連性を解説
東京オリンピックで大量の弁当が食べ切れずに、1ヶ月間で約13万食が廃棄されたといったニュースがありました。オリンピックだけの問題ではなく、現在でも日本では大量の食品ロスをしている状況です。世界中で取り組んでいるSDGsにおいても食品ロス対策は重要な課題として取り上げられています。
この状況を改善するために、日本では食品ロスに対するさまざまな施策や活動が進んでいます。
この記事では、食品ロスにおける現況と対策方法を解説し、最後に、エコにつながるクッキングレシピをご紹介します。
SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)とは持続可能な開発目標で、2030年までによりよい世界を目指していきます。2001年に策定されていたミレニアム開発目標の後継であり、2015年の国連サミットで加盟国の全会一致で採択されました。
SDGsは発展途上国や先進国といった国の状況に関係なく、多くの国が取り組んでおり、日本も含まれています。特に途上国において貧困問題が大きな課題となっていますが、SDGsでは「誰一人として取り残さない」ことを目標としており、すべての人に平等な機会が与えられる社会が目標です。
日本政府の取り組み
日本ではSDGs推進本部を設置し、国内での実施と国際協力の両方で進めていけるような体制を作りました。このほか、日本の活動の指針となるSDGs実施指針が制定されるなどSDGsに関する活動が進められています。
SDGsと食品ロスの関連性とは
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」では、次のように食品ロスについても触れています。また、2030年までに食料廃棄を半減させることを掲げています。
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。
引用:SDGs持続可能な開発目標17の目標と169のターゲット(農林水産省)
つまり、食品ロス対策をすることはSDGsの目標を達成することにもつながります。また、食品ロスを減らすことは持続可能な開発目標であるということです。
食品ロスとは
食品ロスとは本来食べられる食品でありながら、廃棄していることをいいます。
日本における食品ロスの現状
農林水産省が発表している広報2020年10月号において、日本の1年間の食品ロスは約612万トンで、国民全員が毎日お茶碗1杯分の食料を捨てていることになると発表しています。食品ロスの主な原因は2つあり、小売店での売れ残りや返品、また飲食店での食べ残しなどの事業系食品ロスと、家庭での調理において使いきれずに捨ててしまった場合をはじめとした家庭系食品ロスです。
それぞれ次のように数値は同じ位です。
事業系食品ロス 328万トン
家庭系食品ロス 284万トン
開発途上国でも食品ロスは発生していますが、流通環境や保存をするための設備が整っていない、収穫が技術不足でできないなどの理由が大半で、日本の食品ロスの現状とは大幅に違います。
食品ロス対策が必要な理由とは
食品ロスは決して食材を無駄にするだけではありません。環境省では、食品ロスが続くことにより、次のような面で食品ロス対策が必要であると発表しています。
手間と時間をかけて育てた食材を無駄にしていることによる経済的損出の防止
食品を大量に廃棄することによる廃棄物の防止
食品を大切にすることによる食育への影響
食料を購入できない人に対しての支援
その他、水資源の確保や温室効果ガスの削減、健康、食料安全保障などにもつながります。
画像出典:食品ロスを減らすために、私たちにできること(環境省)
食品ロスの対策方法とは
食品ロス対策の基準となる法律の施行や、住民一人ひとりに普段からの食品ロスに対する心がけを紹介するなど、省庁が食品ロス対策を進めています。
食品ロス対策につながる法律の施行
消費者庁では、食品ロスを削減するために施策の基準となる法律を施行しました。
この法律は、食品ロスの削減に関し、国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めること等により、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的とする。
引用:食品ロスの削減の推進に関する法律(e-GOV)
新潟市の取り組み
新潟市では市の公式ホームページにて、市民に対して日頃の生活においての心がけを紹介しています。
買い物に出かける前に、冷蔵庫等の在庫を確認しましょう。
食べきれないほどの食材を買わないようにしましょう。
ばら売りや量り売り、少量パックなどを利用して、必要な分だけ買うようにしましょう。
すぐに食べる商品は、賞味期限や消費期限の長い商品ではなく、陳列順に購入しましょう。
引用:食品ロスを減らすためにできること(新潟市)
ほかにも調理するときや食べるときに注意することなど、一人ひとりが日頃の生活で意識することで食品ロス対策につながることを説明しています。
エコクッキングのおすすめレシピ
エコにつながるクッキングレシピを2品ご紹介します。
豚肉とねぎの和風パスタ
材料(1人前)
パスタ 80~100g
豚バラ肉 80g
ねぎ 1/2本
オリーブオイル 大さじ2
和風だしの粉 3g
にんにく 1かけ
塩
こしょう
しょうゆ
レシピ
パスタをゆでるときに、保温鍋を使うとエコにつながります。
1.ねぎは斜めに、にんにくはみじん切り、豚肉はひとくち大に切ります。
2.フライパンを熱し、オリーブオイルをひき、にんにくを弱火で炒めます。
3.2に豚肉を入れて、中火で炒めます。
4.3にねぎを加え、塩こしょうをして、中火で炒めます。
5.4に和風だしの粉、しょうゆを加え、中火で煮詰めます。
6.鍋に塩を入れた水を沸かし、スパゲッティをゆでます。
7.ゆでたスパゲッティを5に加え、混ぜ合わせて完成です。
かぼちゃの煮物
材料
かぼちゃ4分の1
しょうゆ大さじ1
砂糖大さじ1
酒大さじ1
水100cc
レシピ
材料を煮込むときに、圧力鍋を使うことでエコにつながります。
1.かぼちゃの皮をむき、種とワタを取り除いて、なるべく大きく切ります。
2.圧力鍋に切ったかぼちゃを並べて、調味料すべてと水を入れて落し蓋をします。
3.弱火で30分ほど火を通した後火を止めて、2時間ほど経ったら完成です。
まとめ
日本でも多くの食品ロスを出しており、早急に対策が必要になっています。そこで、省庁ではさまざまな食品ロス対策を進めています。また、食品ロス対策は全世界が進めているSDGsの目標項目にもあり、日本や世界が取り組むべき施策の1つです。