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高性能住宅ってなに?補助金活用で快適な住まいを実現しよう

2025年01月06日

高性能住宅ってなに?補助金活用で快適な住まいを実現しよう

高性能住宅とは、快適な居住環境や省エネ性に優れ、さらに耐震性や耐久性を兼ね備えた住宅のことを指します。一般的な住宅よりもエネルギー効率が高く、快適さを長期間維持することができるため、環境に配慮した住宅としても注目されています。国の補助制度も活用できるので、これからマイホームを建てる予定の方は参考にしてみて下さいね。

高性能住宅の4つの性能基準


法律上の明確な基準はありませんが、一般的に「高性能住宅」と呼ばれるためには、「断熱性」「気密性」「耐震性」「耐久性」の4つの主要な性能が基準とされています。

①断熱性

外の空気を室内に入れないように遮断する機能です。エアコンの効きが良くなるので電気代の節約につながり、冬は結露しにくくカーテンや家具にカビが生じにくいため、一年中快適に過ごすことができます。また、室温差が少ないので「ヒートショック」を予防でき、健康的に過ごせます。

②気密性

室内外の空気の出入りを防ぎ、室内の温度を一定に保つ性能です。夏の暑い空気や冬の冷たい空気を遮断できるだけでなく、花粉やPM2.5などの有害物質の侵入も防ぐことができます。さらに、エアコンの効きも良くなるため、省エネで快適な住環境が保たれます。

③耐震性

地震の揺れに耐え、住宅の倒壊リスクを抑える機能です。地震大国である日本で安心して暮らすためには、重視したいポイントですね。

④耐久性

耐震性、耐火性が高く劣化しにくいことを指します。木造住宅の耐用年数は一般的に30年前後ですが、耐久性が高い高性能住宅は75~100年は使用可能とされ、メンテナンスや修繕が少なく家族が安心して暮らせるので、長期的に見ると経済的です。

高性能住宅のメリット


高性能住宅は、厳しい水準をクリアしている住宅のため、どうしても建築コストは高くなってしまいます。ですがそれ以上に、快適な住環境を保つメリットがたくさんあり、補助金制度も充実しているので、長期的・総合的に見て検討してみましょう。

1年中快適な温度保てる

外の気温に左右されないので、1年中快適で心地良い温度を保てます。季節を問わず過ごしやすく、ヒートショックのリスクも軽減できます。

光熱費を抑えられる

近年では電気代などの光熱費が年々高騰していて、特に真夏や真冬は冷暖房で光熱費が高額になりやすいです。高性能住宅なら、高断熱・高気密が基本で、過度な冷暖房が必要ないため、長く住めば住むほど光熱費を抑えられます。

防音効果が高く静かに暮らせる

高性能住宅の気密性の高さは温度を一定に保つだけでなく、外部の騒音や雑音が聞こえにくい構造になっています。近くの線路や大きな道路の音も気になりにくいので、静かに快適に生活ができます。

地震などの自然災害に強い

高性能住宅では高い耐震性・耐火性が確保されているので、強い地震が来ても倒壊のリスクを軽減できます。耐震等級3を満たしている高性能住宅は、震度6強~7レベルの地震にも耐えられるといわれているので、安心して生活できます。

住宅省エネキャンペーンを活用しよう


住宅省エネキャンペーンとは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、経済産業省、国土交通省、環境省の3省が連携し、ワンストップで申請できる住宅省エネ化の支援制度です。2023年から継続している補助金制度で、2024年11月29日の閣議会で2025年の継続が決定しました。
住宅省エネキャンペーンの補助事業は以下の4つ。住宅の断熱・省エネリフォーム工事や高性能住宅の新築に対する補助事業となります。新築が対象となる補助事業は「子育てグリーン支援事業」のみですが、子育て世帯をはじめ、高性能住宅をこれから建てるすべての世帯に向けた補助制度となっています。

〇子育てグリーン住宅支援事業
〇先進的窓リノベ事業
〇給湯省エネ事業
〇賃貸住宅給湯省エネ事業

新築に対する補助額は最大160万円

対象となる高性能住宅は「GX志向型住宅」「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」の3つで、それぞれ断熱性や省エネ性などの基準をクリアすることで補助が受けられます。

補助額は「GX志向型住宅」が最高額で最大160万円。新築を建てるすべての世帯が対象です。次に「長期優良住宅」が最大100万円、「ZEH水準住宅」が最大60万円で、この2つは子育て世帯および若者夫婦世帯に限定されています。

年々、ZEH水準は高くなり補助対象となる住宅の基準も厳しくなってきています。これから新築を建てることを考えている方は、これらの住宅基準を参考に、補助金を上手に活用して省エネで快適な住まいを実現させましょう。

補助対象の高性能住宅の基準とは


高性能住宅「ZEH水準住宅」「長期優良住宅」「GX志向型住宅」はそれぞれどんな基準があるのでしょうか。

ZEH水準住宅

太陽光発電システムを利用して、一次エネルギー消費量を0にすることが必須条件の「ZEH」に対して、「ZEH水準」は太陽光発電システムなどの利用は必須ではありません。その代わり以下の同時達成が条件です。
・断熱等性能等級5
・一次エネルギー消費量等級6

長期優良住宅

耐久性や省エネ性能に重点を置いた基準があり、維持できるよう長期的に管理するのが条件です。
・耐震等級2以上
・断熱性能等級4以上(UA値0.87以下)
・長期維持管理…維持保全計画に従ってメンテナンスを行うこと

長く快適に暮らせる住まいを目指して設計された認定基準は以下の8項目です。

①劣化対策:建物の躯体を頑丈にし、リフォームなどをえて何世代にもわたり住めること

②耐震性:地震発生時にも引き続き住み続けられるよう、被害を受けにくい家であること

③省エネ性:断熱性能を高くすることで、暖房効率をあげられること

④管理・更新の容易性:耐用年数が短い配管設備の点検・メンテナンスが容易に行えること

⑤居住環境:景観を守る地域の条例などに沿った家づくりがされていること

⑥住戸面積:一戸建ての住宅は1階の床面積が40㎡以上、総床面積75㎡以上の建物であること

⑦維持保全計画:定期的な点検やメンテナンス計画により建物が保たれること

⑧災害配慮:自然災害発生のリスクがあるエリアは定められた措置を講じている住宅であること

※メンテナンスなどを怠ると認定取り消しや補助金等の返還を求められる場合があります。

GX志向型住宅

ZEH水準よりさらに省エネ性が高い住宅のことです。条件は厳しいですが、その分快適性が高く、長く安心して居住できるのが注目されるポイントです。
・断熱性能等級6以上(UA値0.46以下)
・再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を35%以上削減
・再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量を100%以上削減

まとめ


このように、高性能住宅は季節に左右されない快適さ、環境にやさしい家づくりを実現できるだけでなく、エネルギーコストの削減、自然災害への備えなど、暮らしを豊かにする要素が詰まっています。

これからマイホームを建てる予定の方は、「住宅省エネキャンペーン」の補助制度を活用するなどして長期的に快適な「高性能住宅」を検討してみましょう。また、この補助金制度は省エネ性・断熱性・耐震性などを強化するリフォームも対象なので、快適な住まいの実現にぜひ活用してみてください。